Overview
「音楽が好き」を起点に、ピアノやギターでオリジナル曲やカバー曲を弾き語る吸血姫個人VTuber、椎名菜羽さま。愛らしい歌声とパフォーマンスで多くのリスナーを魅了しています。スタジオてくてくは、リリースが熱望されていたオリジナル曲『Nanoなの★エボリューション』のミュージックビデオを制作させていただきました。「リスナーのみなさまと一緒に成長したい」と願う椎名さまの世界観をあますところなくお届けできるようにチームを編成し、制作に臨みました。これからもクリエイティブパートナーとして、ご活躍をご支援できたらと考えています。
Index
- ご依頼経緯
- 制作プロセス
- 成果
- 展開
ご依頼経緯
VTuberとして活動されるようになったきっかけを伺えますか?
椎名さま(以下敬称略)
音楽が好きで、作詞、作曲、ピアノやギターの弾き語りを楽しんでいました。ある日、森の中でピアノを弾いていたら、たまたま通りかかったparyiさん(プロデューサー)に声をかけていただき、VTuberとしての活動がはじまりました。5年くらい前のことです。
現在は個人での活動に加えてVtuber仲間とサークルを立ち上げ、活動の幅を広げています。
音楽が本当に好きなので、たくさんの方に届けたい。わたしの活動がきっかけとなって「音楽っていいな」と感じる方が増えていくといいな、と思っています。

フォロワー数2.2万人超え(2025年現在)の吸血姫個人VTuber椎名菜羽さま。音楽が大好きで、リスナーと楽しみながら、一緒に成長したいとの想いで活動している。
スタジオてくてくとの出会いについて教えてください。
椎名
これまでにもミュージックビデオを制作したことがあり、ほかのクリエイターさんに依頼した経験もあります。でも今回は、3年のときを経てリリースするので新たな気持ちで臨みたかったんです。理想の世界観やクオリティを実現してくれるクリエイターさんを探す中、スタジオてくてくさんのポートフォリオでミュージックビデオを拝見し、「まさにコレだ!」と感じる実績があったんです。
VTuberのミュージックビデオは一枚のイラストで完結するアプローチが多いのですが、てくてくさんの手がけたものは、複数のイラストを使い、演出もしっかりと作り込まれていました。アイドルがステージでパフォーマンスをしている世界観に、とても惹かれました。
制作プロセス
スタジオてくてくは、障害や難病のある方が雇用契約を結ばずに、その時の状態にあわせて働くことのできる「就業支援B型事業所」です。その点は意識されましたか。
椎名
スタジオてくてくさんのミュージックビデオに惹かれ、依頼を前提にサイトなど見るなかで知ったので驚きました。クリエイティブを請け負う「就労支援B型事業所」があるんだ!って。「好き」を起点に挑戦できる環境を提供するという事業所の考え方に共感し、少しでも関わらせていただきたいと感じました。
わたしの家族は障害のある方の支援を仕事にしていて、自分にもできることがあればと考えていたのですが、ふだんの活動だけだと難しくて。ご依頼できたときは、クリエイティブへの期待とあわせて本当に嬉しかったです。てくてくさんと出会えて、願いがかないました。
スタジオてくてくは、「就労支援B型事業所」に、クリエイティブ事業を推進するLabが併設されています。やりとりで印象的だったことを伺えますか。
椎名
窓口に立ってくださったのは、LabのクリエイティブディレクターのほこPさんでした。事業所の利用者さんたちが、制作スタッフさんとして参加する形です。
ほこPさんが、わたしのこれまでの活動を詳しく見て全体の方針を決め、チームのみなさんは、それぞれの「好き」を活かす形で制作に関わってくださったそうです。
コミュニケーションも丁寧で細やかで、ひとつひとつ確認しながら作業に反映してもらえ、とてもスムーズでした。少しでも違うと感じることがあれば、すぐにお伝えできる安心感がありました。
完成したミュージックビデオをご覧になった印象はいかがでしたか?
椎名
素直に、とても良いと感じました。仕上がりをチェックしている依頼主というより、ひとりの視聴者として感動しました。そのうえで、あらためて細部をチェックしても、リスナーのみなさまにわたしの成長をお伝えできると感じました。
色数をおさえたり、デフォルメしてくださったり、予算内におさまる工夫をさまざま取り入れていただいたのもプロの仕事という印象で、とくにミニサイズのわたしは限られたイラスト数を演出でつなぐうえで効果的なうえに、コミカルになりすぎず吸血姫としての愛らしさが表現されていると感じました。
1箇所だけ調整をお願いしたのが、ステージパフォーマンスの演出。吸血姫の静的なトーンでしたが、ここはアイドルの華やかさを優先したいとリクエスト。世界観への影響が大きい調整でしたが、信頼関係が築けていたので気負わずお願いできました。おかげで理想を超えるアイドルソングに仕上がったと感じています。

調整が入ったライブシーン。全体バランスを配慮しながらアイドルソングの華やかさを加えた。結果、椎名さんの活動を象徴する作品に仕上がった。
成果
リスナーのみなさまの反応はいかがでしたか?
椎名
「すごい!」「感動した!」「可愛い!」という反響をたくさん寄せていただけました。中には「想像していたよりも、クオリティが高かった」という声もあり、お待たせした甲斐がありました。
リスナーのみなさまに高く評価いただけたのは、過去のミュージックビデオと比べてイラストの枚数が多く、動きもなめらかで演出が効いていたという理由に加え、わたしに対して抱いてくださっているイメージに寄り添うことができたからではないかと感じています。配信をはじめてからのわたしの物語を象徴するキャラクターソングにできた実感があります。
おかげで、ライブのとき一致団結して盛り上げてもらえる作品になりました。コールがたくさん入るのですが、最初は声をあげる勇気がなかったリスナーさまも一緒に。みんなで成長していける!そんな実感があります。
今回のプロジェクトが、今後のご活動に影響する部分があれば教えていただけますか?
椎名
新境地をひらくために立ち上げた、同人サークル『夜更けのシンフォニー』の代表に就任しました。音楽活動に加え、イベントやグッズ展開などにも積極的に挑戦したいと思っている中、『Nanoなの★エボリューション』をたくさんの方に支持いただけたことが励みになっています。
資本力のある大きなプロダクションに所属しているわけではないので活動の難しさも感じていますが、チャレンジのタイミングでスタジオてくてくさんのような信頼できるスタジオと出会えたことは心強いです。

同人サークル『夜更けのシンフォニー』の代表として新境地を目指す。スタジオてくてくは、その挑戦をクリエイティブパートナーとしてサポートできたらとの想いで、今後も研鑽を重ねてゆく。
展開
周囲の方にもスタジオてくてくを紹介したいですか?
椎名
交流している仲間には、もう紹介しています。めざす世界観を実現するディレクションは本当に難しく、大きな負担にもなっているので、おすすめのスタジオとして。
いま気づきましたが「就業支援B型事業所」であることは、すっかり意識から消えていました。純粋に「こだわりたい作品なら、スタジオてくてくさんに頼むといいよ」と伝えています。
この先、『夜更けのシンフォニー』の仲間と一緒に作品をつくりたいと思っていて、そのときはまたお願いできたらと考えています。
お忙しい中、お話をお聞かせいただきありがとうございました!
編集後記
この度はご依頼をありがとうございました。わたしたちは、自分たちのことを「好きからはじめるクリエイターのたまご」と位置づけています。未熟な部分もたくさんありますが、だからこそ、やりとりにおいては可能な限り良い体験をお届けしたい、丁寧なやりとりを心がけたいと考える中、今日のお話は本当に励みになりました。これからも、椎名さんが好きな音楽をたくさんの方にお届けするご活動をサポートできたら嬉しいです。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
クリエイティブディレクター ほこP